オフショアはもう古い?今投資対象とするべき国とは│アジア投資の鬼才!JACK佐々木が語る資産保全の極意

オフショア

この記事では、国際分散投資をおこなう地域について、どのように活用できるかをみていきたいと思います。

いきなりですが、あなたは「オフショア」と呼ばれている地域についてご存知でしょうか?

オフショアとは、非居住者の資産に対する所得税・キャピタルゲイン税(不動産や有価証券などの値上がりによる利益を得た際の税)・相続税などのすべてが無税、もしくは税金が著しく低い島、群島、特別地域や小国を指します。

オフショアとして指標となる税率は、最高でも25%以下の国や地域ですね。

日本の近くでは、香港やシンガポールが有名です。
税率も香港は17.5%、シンガポールは19%となっています。

その他に代表的なオフショアの地域としては、イギリス沖のマン島、ジャージー島、カリブ海のケイマン諸島、スイス、モナコなどが挙げられるでしょうか。

世界の金融機関はこうした国々に本社機能を置くことで、税金を抑えて、会社の利益を最大限に高めることが可能になります。

オフショアには、世界中から巨額の資金と、世界トップクラスの金融のプロたちが集まってきます。

世界各国の銀行、証券、投資会社などで活躍をしたファンドマネージャーたちが、次々とヘッドハンティングされてオフショアに集まり、さらに優れたファンドを考案しているんです。

その結果、最終的に高い利益が投資家たちに還元されるようになるわけですね。
(もちろん税金を抑えられるオフショアとはいえ、納税はしないといけませんよ!)

ちなみに、日本の銀行もオフショアに投資をしています。
彼らは日本国内から「空前の低金利」で集めた資金をオフショアで高利回りの運用を行い、利益を出そうと考えています。

英国系、スイス系のオフショア銀行にとって、日本の大手銀行・証券会社はお得意様であり大口顧客なんですね。

実際に、国内最大手の保険会社の支社長との話の中で「運用部に確認したら、そうしているって言っていたなぁ」と聞いたので、これは間違いない話でしょう。

オフショアに代わる地域とは?

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ただ、最近のオフショアは、法律や制約も厳しくなり、以前のような魅力がなくなってきているのが現状といえます。

そんなオフショアに変わり、いま注目されているのがアジアなどにある新興国です。

新興国とは、後進国から発展途上国、そして新興国と呼ばれるようになってきた地域のことです。BRICsは有名だと思いますが、ほかにもNEXT11やVISTAなども代表的ですね。

「BRICs」はブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の頭文字を取った言葉で、広大な土地・豊富な人材・豊富な資源を持っている国々を指しています。

そして「NEXT11」は、BRICsに続く経済大国予備軍として挙げられた、韓国、バングラデシュ、エジプト、インドネシア、イラン、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、トルコ、ベトナム、メキシコの11カ国を示した造語です。

最後に「VISTA」もまた、それぞれの文字をつなげた言葉です。
ベトナム(Vietnam)、インドネシア(Indonesia)、南アフリカ共和国(Republic of South Africa)のS、トルコ(Turkey)、アルゼンチン(Argentina)の各国を指しています。

地理的なバランスと高成長のための条件、すなわち豊富な天然資源、労働力の増加、外資の導入、政情の安定、購買力のある中産階級の台頭を勘案して、中進国からポストBRICsの候補とされるところです。

投資対象として、日本は世界からどう見られている?

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このように、アジアを中心とした各国が注目を集める中「日本は投資対象としてはどうなの?」と疑問を持った方もいるかもしれませんね。

実は、HSBC(香港上海銀行、世界第2位の銀行です)のインベストマーケティング担当の方に質問をしたことがありました。

「日本のマーケットに対して、投資対象としてみていますか?」と聞いてみたところ、「残念ながら、投資対象としてはすでに2007年ごろには日本から撤退し、BRICsをはじめとする新興国へ移行しています」という答えが返ってきました。

つまり、世界屈指の投資銀行は、すでに日本にはもうマーケットがないと見限っているという事実があったわけです。

この事実に、日本人として非常に残念な気持ちを覚えた一方で、自身の考えやスタンスに間違いはないことを改めて確信しました。

日本における金利や運用実績、また円資産のみを保有するリスクを考えてみてください。
おのずと、海外を活用するという選択肢が出てくるのではないでしょうか。

このように順に考えていくことで「なぜ海外も選択肢に入れる必要があるのか」という疑問に対しても、納得できたんじゃないかと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

JACK佐々木 アジア投資の鬼才 JACK 佐々木にインタビュー|前編